リスペクト「黒井 健 編」

 絵本作家&イラストレーターとして高名な、黒井健氏。

氏の作品は、本屋の絵本のコーナーに行って、目にしないことはまずない。
新美南吉原作の「ごんぎつね」の装画を見れば、あ〜この人かと誰もが思うでしょう。

空気までもほんわり暖かく表現する技術は、色鉛筆を用いた独自のテクニックに裏打ちされています。

絵の具のドライマテリアル(水分を使わない絵の具)の中で、ソフトで柔らかな表現をする画材としては、パステルが代表選手です。が、パステルはボカシは得意でも、シャープな表現は苦手です。また、重ね塗りも難しい。
また色鉛筆(特に油性のもの)もドライマテリアルとしてよく使われますが、こちらは逆に、シャープな表現が得意で重ね塗りも容易いが、ボカシ表現をするには時間と根気が必要。

そんな、パステルと色鉛筆の長所だけを取り入れたのが黒井健氏のテクニック。
油性色鉛筆の真を削った粉を、油絵などに用いるテレピン等を染み込ませた布で、イラストボード等に擦りつけるというもの。シャープな輪郭は、厚紙などでマスクして表現しています。

イラストボードの紙目と筆がわりの布の絶妙なコンビが、氏の絵の世界感を支えているのです。

今では、デジタルに移行した僕でも、紙目を意識することと、ボケとシャープさの混在させることの気持ちよさを、氏の絵からリスペクトしています。
2009.12.16 Wednesday 22:14 | リスペクト作家 | comments(0) | trackbacks(0)

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