ワイエス展に思ったこと。

  2月11日(祝)、イラストレータ−で生計を立てることを決めた頃からずっと気になっていた、アンドリュー・ワイエスの展覧会をやっと見ることができた。(「アンドリュー・ワイエスー創造への道」/愛知県美術館)
  
作品の制作過程を見ることができる展覧会は、完成(未完成でも)にいたるまでの作者の葛藤や緊張感が伝わった来て好きだ。
ここで手を抜いているなとか、テンション上がってるなとか、あっ迷ってるとか、諦めたのかなとか・・・。デッサン紙の絵とは関係のない汚れにまで気がいく。
正直、このような展覧会では学芸員が後付けで解釈したと思える解説等は意識的に見ない様にしている。絵を描いているものにしか解らない息ずかいや筆のこすれる音を感じたいから。
 
ワイエスのテンペラ画は静止した緻密な彫刻物、水彩画は躍動する瞬間芸に感じた。

色を省いたセピア調彩色は洋画の特徴である遠近感を抑え込み、むしろ平面的にも感じる。垂直水平線を多用し空間を広めに取ったわかりやすい安定した構図。原画に近づき目を凝らさないと解らないほどの極細面相筆の点描や鋭いスクラッチ技法があるかと思えば、ポイントをより引き立たすための雑で荒々しくも計算された筆致と汚しもある。

こうした特徴は日本画の美意識やテクニックにも通じるものがあり、彼がおおくの日本人の心を動かした所以だということが、この展覧会を見てやっと確認できた。

  非常に残念ながら、彼はこの展覧会中の1月16日に天国に召された。
初めてみた彼の展覧会が生前最後の展覧会となってしまった。
これも何かの縁だろうか。
やっぱり絵は(リアルの)絵の具で描きなさいと彼が言っている様な・・・(苦笑)。

下は、同日に見た名古屋造形大学視覚伝達1年生写真展のスナップ。
名古屋造形大学視覚伝達1年生写真展
2009.02.16 Monday 10:51 | 細かすぎるスキルの話 | comments(0) | trackbacks(0)

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